+ + + 予告 + + +

「ふふ、そう、そういうことなのね」

少女の声が暗闇に響く。

躰に纏わりつく汗を拭う。
サウナのような蒸した空間。
真っ暗で何も見えないせいか、
より息苦しく感じる。

「違うわね。苦しいんじゃないわ」

していない。

息を。呼吸を。

生命活動の基準が人間のそれとは異なるから、正確に酸素を取り込むことを指しているわけではない。
それでも、なお、息をしていない、と自覚した。

この暖かで、同時に背筋が凍るような場所は、
それでも優しく、強烈に甘やかす。

「そう、そういうことなのね」

「私はここにいていいのね」

居場所。

少女は、そこを居場所として選んだ。

選んでしまった。

「わかっている、いえ、わかっていた」

それでも…。


勇気を失った刃の孤独は、

暴力の中にしか

居場所を見つけられなかった。


ようこそ魔核機関。


「もう、好きにしていいわ。」


「もう一度、バブルにしましょう」


世界は彼女を優しく包む。

熱い鼓動が蘇る。

溢れ出る魔力の胎動。

血が吹き出る寸前の傷跡が、どうしてこんなにも愛おしいのだろう。

あぁ、全て、全てを壊したい。


自分でもこんなに狂うなんて思って見なかった。

いえ、初めからこんなに狂っていた?


いいの。それで。

だって、そういうことなのだから。


深呼吸して眼を開く。

世界はこんなに冷たいから。

私が盛り上げてあげないと。



ね、魔剣使い。


「おったまげー」





暴走魔剣
《丙子椒林剣》

降臨


―――この数時間後、

魔剣機関により彼女の討滅作戦が発令される。

作戦名
「絢爛豪華豪遊宴(リターン・オブ・バブル)」

作戦執行
2015年6月16日16:00頃~6月30日16:00頃