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錬銀魔杖カドゥケウス……、
実在したのね。 伝説上のものだとばかり思っていたけれど。 |
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世界図書館の調べによりますと、
様々な文献にその姿が登場しております。 白銀の影、走るレアモノ、ツヤめく経験値――… |
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ずいぶん雑なネーミングね……
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スカイフィッシュ同様、目には見えるけれど本当に存在するかどうかはわからない何か、ということでしょう。
つまりは実態が掴めていないということに相違ありません。 |
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んー、まぁそれはそうなんだけど、こいつねぇ……
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なにか心当たりが?
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よく間違えられるのよ、"私"。
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私……? えーー……
"聡明なセクハラ巨乳お姉さんキャラ"でございますか? 大変申し訳ございませんがカドゥケウス様とクラン様では天と地、表の裏、白と黒、人気キャラと不人気キャラほどの差があると存じ上げます。 |
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失礼ね!
違うわよ!そういう意味じゃないわっ! ……まぁ"聡明なセクハラ巨乳お姉さんキャラ"というのは違っていないけれど。 |
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それでいうと私も"聡明なセクハラ巨乳お姉さんキャラ"ではございますね♪
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あーはいはい、図書館のお嬢さまとイチャコラしてて頂戴。
私が言いたいのは『魔剣医師』としての私よ。 |
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魔剣医師……、
――『アスクレピオス』でございますね。 |
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ええ、そのとおり。
あなたも知っているでしょう? "伝説の医療魔杖アスクレピオス"と"伝説の錬銀魔杖カドゥケウス"を同一視する説さえあることを。 |
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伝承上は全くの別物、しかしながら奇妙なほどの類似性を指摘する学説でございますね。
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魔剣における医療とは、過去のある時点へ魔剣の状態を戻すこと。
つまりそれは擬似的な不老不死であり、時間操作魔術への挑戦と言っても過言ではないわ。 |
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聞いたことがあります。
かつて魔界のある地方では『水銀』と呼ばれる魔導性流体金属を不老不死の薬とみなしていたことがあると……! |
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そしてカドゥケウスの超高速移動力。
高速への挑戦は0秒での瞬間移動への挑戦と同義。時間の壁を超える試金石とも言えるわ。 |
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ではクラン様はカドゥケウス様が医療魔術をルーツにした魔剣であると……?
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あるいは、医療魔術が明確に定義されるさらに以前――
例えば禁忌錬金魔術から分岐した医療魔術の姉妹、なんて見方もできるわ。 |
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…………人を救うために進化したのが医療魔術だとすれば、カドゥケウス様はつまり――
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人を殲滅するために進化した魔術体系の果ての魔剣……ね。
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なるほど。
今の考察が本当であれば、魔剣機関の皆様方はまったくもってとんでもないものの製造解禁を許可したものです。 |
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おおかた臆病な性格をみて操作管理可能であると判断したのでしょうね。
けれど気になるのはタイミングの方かしら。 |
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なぜ今なのか――
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オーア=ドラグをはじめ、ぎんいろやアルギュロス、ノーネームら金属操作の魔剣は今のところでは人類の管理下にある。
どうして今、暴走のリスクを侵してまでカドゥケウスを解き放ったのか。 |
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……こうは考えられませんか。
魔剣機関がカドゥケウス様を見つけたのではなく、カドゥケウス様が魔剣機関を見つけた、と。 |
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暴走しないように、人類を滅ぼさないようにするために……!
……ありえる、ありえるわ! 彼女のあの臆病で優しい性格は世界を守るための最後の砦! |
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おそらく彼女は探しているのです。
信頼に足るマスターを。 自分の力を任せられる魔剣使いを――。 |
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なるほどね、そういうことなら心当たりがあるわ。
それに、そうならないための医療魔術ですもの。 んふふ♪存分にお姉さんが調べ尽くしてあげるわよっ! |
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ええ、偶然にも私も同じ方を思い浮かべておりました。
カドゥケウス様は逃げ足が早いと聞きますので、有事の際は世界図書館も捜索を手伝いましょう。 なにより情報収集は我々の得意分野でございますから。 |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |