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んー……、
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魔剣機関が発表した新たなる魔剣でございますね。
どうかされましたか? |
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どこかで聞いたことがあるような気がするのよ、
この「ミライヲザンバツスルモノ」という名前。 |
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さすがの博識、感服いたします。
実は世界図書館にその名が記された書が1つ見つかりました。 おそらくはその伝承を耳にされたのではと。 |
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伝承……?
うーん、そういう類のものだったかしら? でも、んー、たしか魔剣じゃなかったと思うのよね。 |
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ますます感服いたしました。
おっしゃる通り、その名は魔剣ではございません。 |
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魔剣じゃあない…………。
――使い手、そう使い手の名前! |
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正確には、魔剣使いであるかどうかさえ定かではございません。
ただそういう名で呼ばれていた人物がいた、と。 |
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たしか、神殺し…!
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――その者、神なる雷さえも狩り獲らんとす。
名を【 |
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そう、そう!
昔、因果干渉系の魔剣の研究で調べたのよ。 因果律操作とは結局のところ起きうる未来の可能性の遮断、その原理は未来に影響しうる過去、あるいは現在に対する干渉でしょ? 過去を意識させなくしたり、未来が制限されているように思い込ませたり……。 |
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ですが、
伝承に残る神という言葉は未解明自然現象、あるいは超常現象を示すことがありますが、翻れば予測不可能性事象――標語的に言えば「無限の可能性」や「バタフライエフェクト」を指します。 その「神」を「全て」刈り取ったというのです。 |
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結果を絞り込んで自分に都合がよいように戦況を変えるのが因果律操作なら、
伝承上のミライさんは都合も何もお構いなく、無限の可能性の全てを終わらせることができる、というわけね。 |
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伝承どおりであれば、ですが。
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そして、名こそ違えど同じ読みの魔剣が現れた、と。
正直な所どうなのよ?そこまで調べてるなら仮説くらいあるんでしょ、世界図書館♪ |
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ええ、なくはありません。
未来の可能性の斬跋……、 言い換えれば絶滅でございます。 世界図書館では様々な伝承に登場する【種の絶滅】の主原因がここにあるのでは、と読んでいます。 |
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ふむ!なるほどね。
たしかに、神話や伝説には嫌という程あるもの。 神が滅ぼしたと明言されるものはむしろ少数!当たり前に登場した動植物が現在には存在しないことは往々にしてあるわ。 |
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ですが、それでも解明ができないのです。
種の生存や進化は軌道不安定性がもたらす観測不可能な可能性の拡散……。 その全てを刈り取るためには大過去への干渉、つまり種の根を断つようなことをしなくてはいけません。 仮に過去に干渉できたとして、狙って1種族だけの進化分岐を止めることは不可能です。 |
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――もしかして、私たちの考えは逆だったんじゃないかしら。
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というと…?
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そう、伝承のミライさんの真の力は過去や現在への干渉ではない。もちろん未来でもない。
ただ見えていたのよ、可能性が、種が終焉に向かう最短ルートが…! |
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なるほど、無限の可能性を有限にするやり方…!
未来分岐を俯瞰する能力をもって、それ以外の可能性を刈り取れば……! |
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そう!枝葉を折るように、未来を選別する力!
いうなれば、超常クラスの予知能力――!
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ありえます…、それなら説明がつく!
未来全景を見た時点で終焉が確定する…!神さえ狩り獲る、とは伝承の通りでございますね。 |
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……仮に、伝承のミライさんがこっちの未来ちゃんの下地になっている可能性は?
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ありえなくはないですが、可能性は低いかと。
人物や現象そのものが魔剣になった例はなくはないですが、伝承が薄く具体性に欠けると考えます。 |
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であれば、やはりミライさんが使用した武具が未来ちゃんってパターンかしら……。
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一概にはそうとも言えません。
名を変えた理由に説明が付きませんし、それだけの力と特徴的な名を持ちながらあまりに伝承に残っていなすぎる。 もしかしたら武具としての未来様は別の名前で伝わっているのかもしれませんが……。 |
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ん、ちょっとまって、未来ちゃんは可能性の全景が見えると言ったわよね。
あー違う、可能性!その可能性があるって。 それって単純に言えば「例外を存在できなくする」ということでしょ? |
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そう、なりますね。
未来様の真の能力が我々の想像するものならば、彼女と相対して例外は存在しなくなります。 ジョーカー様のような逆転の一手や悪魔の鍵のような裏技、隠された可能性、そういったものは通じないでしょう。 |
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それよ、そのせいなのよ!
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……世界図書館が、魔剣機関にとって例外であると?
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ええ、未来ちゃんを暴く逆転の一手である世界図書館が封じられた、そう考えれば辻褄が合うわ♪
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はぁ、複雑怪奇ですね。これはどうお嬢様に説明したら良いものか。
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でも、まず間違いないことが1つ確定ね。
魔剣機関は未来ちゃんの真の力を危険視している。 |
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彼ららしいといえばらしいですし、らしくないといえばらしくない。
今回、製造解禁に踏み切ったのは何者かによる圧力とみてもよいかもしれませんね。 |
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意外と大図書館のお嬢様だったりして――
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ありえない、と言い切れないのがお恥ずかしい所でございます。
魔帝アリス様が絡むとお嬢様は熱くなられるので……。 |
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あはは……。
あとこれは仮説だけど、異常値とも言える能力をもった未来ちゃんがなぜ今まで伝承に残っていないのか。 |
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……自分の能力を嫌っているから、でしょうか。
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同意見!
ストレートに力を使うことを恐れている、あるいは使うために犠牲や代償が必要、本人か使い手に大きなリスクが伴う…… んー、だいたいこのあたりのどれかだとは思うのだけれど。 |
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とても、優しい子なのですね。
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ええ、力にそぐわないほど、きっと素直でまっすぐで、誰かを傷つけるたびに、それ以上に自分が傷ついてしまうような……。
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おや、魔剣機関から続報が届いて――
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……やさしいこ、なのかな…………。
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……すなおで、まっすぐ、だと思います………。
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はぁ、まったく、魔剣の可能性の方が無限大だわ!
伝承もルーツも秘匿したままで修理しろなんて無理難題もいいところよ? まったく、とんでもないものを用意してくれるわね魔剣機関……! |
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むしろこれは世界図書館への挑戦状。
全ての知識を保有する我々が必ず未来様の情報を提供いたします。 本当の例外というものをお見せしますよ、魔剣機関……! |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |