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神
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かつて――
それは無数の神使たちが大空を舞い世界を支配していた頃……。 |
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神に仇なした一匹の獣がいたという――
その名は【フォリヴォラ】……。 |
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天を覆う無数の神の使いたちを斬り裂き刻み地に落とし、蹂躙の限りを尽くした神話の獣――
その圧倒的かつ絶対の姿からいつしかこう呼ばれるようになったそうです。 【神 |
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"銘を冠する魔剣"ということは、その名になにかの意味があると考えるべきね。
【獣】と【爪】……。 シンプルに考えれば神獣の爪で造られた武具、ということになるけれど。 |
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かの神獣フォリヴォラが登場する神話や伝承にはそのような武具は登場いたしません。
もし伝承に登場するのであれば、魔剣機関による伝承改竄か、秘匿神話の類、あるいは―― |
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解釈深度――
私たちに読み切れていない神話の真実、伝承の真相、物語の深淵がある場合、ね。 |
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深度でございますか……。
神獣フォリヴォラは確かに鋭く巨大な爪をもっております。 天にも届く巨大な体躯と長い腕、風より疾き身のこなし、その鋭き爪は神の世界を斬り裂いた―― 神にさえ手が届く神の如き獣、ゆえに神獣。 |
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待って……。
フォリヴォラの伝承は最後どうなるんだったかしら? |
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時の女神の怒りを買い、神と同じ時間を生きることを否定されます。
地に堕ちたフォリヴォラはのろのろと地を這い、わずかに動く手足を使い、それでも空を望み、ほほ笑みを浮かべ木に登り手を伸ばす……、どの伝承においても例外なく必ずこの終わり方を迎えます。 |
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時の女神の呪い……、時間に縛られた魔剣……?
ならなぜ地に堕ちた後に動けたの?なぜ時の女神は時間を止めなかった?神さえ滅ぼせる獣を斃さなかった…? |
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時の女神には戦う力がなかった?
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ベター。
でも時を止めて海や火山に沈めるやり方も合ったはず。 |
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何かの理由で時を止めることができなかった?
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ベター。
ありえるけれど、それで"時の女神"を名乗るのはおこがましいわ。 伝承に残る神サマだもの、そのくらいは出来なくては逆におかしい。 |
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――では、こういうのはどうでしょう?
時を止めたが破られた……! |
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ベスト…!
そう、それよ! 時の女神は神獣フォリヴォラを止めきれなかった。 しかし無力化することには成功した……! |
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見えてきましたね。
神獣の深層も、魔剣機関の狙いも……! |
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無力化されたとはいえ神さえ斬り裂く神獣フォリヴォラ、内包される力は絶大……!
逆に言えば「時の女神の呪い」さえどうにか操作できればその力が手に入る! |
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ベターです。
操作する必要すらない可能性があります。 |
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そうか、女神が止めたのが
暴れていたときのフォリヴォラのように素早く動かすことさえできれば…! |
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ベストです。
それゆえに【切り取った】のです、都合よく、呪いを少しでも減らすために。 |
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神
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呪われた神獣フォリヴォラを「爪」として魔剣化しようなんて、魔剣機関も考えましたね。
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ん、でもそれだと魔剣の方のフォリヴォラは呪われていることになるわ。
魔剣と魔剣使いは一心同体、使い手もまた呪われる事にならない? |
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おそらくは。
ですが、そうでないと魔剣として成立させられなかった……、と考えるのが妥当でしょうか。 |
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なるほどね、でも皮肉だわ。
呪われているゆえに制御可能でありながら、呪われているゆえに時が遅まり誰も使えないなんて。 |
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お待ち下さい……。
ああ!そう、そういうことなのですね! |
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ど、どうしたの?
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だから【弓矢型】なのです!
爪を矢に見立てたのです…! |
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まさか、そう解釈して魔剣成立させたというの?
素早く爪を振るう姿を、弓に射られた矢として――!? |
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そう考えると辻褄があいます。
装備すると呪われ動けなくなる、あるいは動きが著しく遅くなる魔剣を有効に使う方法はただ1つなのです。 |
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その手から手放すこと……!
投擲では投げる行動自体ができないし、連弩では動きに制限がかかる。 その点、弓矢型は理にかなっているわ……。 |
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とはいえ、装備すれば呪われる魔剣でございます。
鈍足化する時間の中での戦闘となれば、つまりそれは高速化する敵の攻撃を受け続けながらの戦い……。 |
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並大抵の精神力で扱えるものじゃないわね……。
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並大抵の魔剣使いならば手にした瞬間に発狂するでしょう。
無謀とも勇敢とも異なる、心が試される魔剣――。 |
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心を試す魔剣、ね。
ある意味で「ライオンハート」のようだわ。 |
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ライオンハート様が攻める勇気を試す魔剣なら、
フォリヴォラ様は耐える信頼を試す魔剣――。 |
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となると、使えそうな魔剣使いは彼ぐらいしかいなそうね?
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ええ、ライオンハート様を使いこなす彼だからこそ。
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はぁ、まったく、男を試す女はいい女とは言えないわよ?
修理時に呪われないようにしないといけないし、ほんともうやってくれるわね魔剣機関……! 何なら女神の呪いをも治療してやろうかしら? |
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本人にその気はない天然タイプでしょうけれど、むしろその方が厄介ですね。
ですけれど、我々世界図書館がフォリヴォラ様の内面の全てを暴いて差し上げます……! 何なら女神様の真相まで全てを―― |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |