魔剣機関 魔剣管理局です。
新たなランクSS魔剣の最新情報を入手いたしました。


























《風属性 大鎌型》
9月1日16:00頃製造解放予定!

新SS魔剣『フレスベルグ』
鍛冶医師クランベリー
はい出ましたー壁ドンにドキドキする系魔剣ー!
世界図書館メイド長ププッピマリー
今の時代には逆に珍しい王道ツンデレでございますね。
カーッ!ちょろそう!!!
見た感じもうすでにチョロインオブザイヤー!
ツインテールに? え? 白ワンピ?
胸までおっきいなんて、もう数え役満じゃないっ!
昔の人は言いました。
人を外見で判断してはいけません。ただしイケメンに限り例外、と。
それなら美少女も例外よ。
えーと、新魔剣の…フレスベルグとか言ったっけ?
どうせあざとい仕草もぜーんぶ計算にきまって――……ないわね、この表情は天然モノよ……。
…………。
な、何よ…? 私の目利きに文句でも?
このフレスベルグという魔剣は本物の美少女よっ!いい感じに男の子に慣れてないあざとかわいいの化身よ。
いえ、フレスベルグ様への容姿への評価は私も同じなのでございますが……。
なに? 何が気になっているの?
――クラン様も『フレスベルグという魔剣をご存じない』のだと思いまして。
……まさか、あなたもなの?
ええ、そうなのでございます。
魔剣機関によってランクSSを評される魔剣であれば、大抵の場合は源泉となる伝承や神話に覚えがあるものです。
謂れ、オカルト、都市伝説、それこそ世間話の類まで含めて――。
手がかりも心当たりもなにも無し。
見えている情報は必要最低限。魔剣機関の 具象魔導予知 v i s i o n にヒントもなし、と。
いえ、ヒント――と思しきものなら1つ。
『不沈の魔剣』、かしら。
そのとおりでございます。
ですが、伝承上において不沈の魔剣は数多くございますので、やはり、ただ1つの魔武具や現象を特定するほどの特徴とは言えません……。
あー、例えば、使い手の名前を名乗っている場合というは考えられない?
魔剣ルルベルなんかはこの線から解明したわよね。
むしろ不沈の魔剣以上に『不沈の英雄』の方が数は多くございます。
それこそ、絶望的な戦場から幾度となく生き延びた者、窮地を潜り抜け運命さえ味方につけて生き残る戦士こそ伝承となり英雄と呼ばれるもので――
『数は多く』『生き延びた者』『伝承となり』
……なるほど、そういうこと。
…クラン様?
おそらくだけど、フレスベルグは単一の武具や現象、あるいは1人の英雄を指す言葉ではないんじゃないかしら。
むしろ、不沈の伝説が『数多く存在する』こと自体に目を向けるべきだったのよ。
……そんなまさか!
「どの伝承がフレスベルグか」ではなく、
「不沈の英雄の伝承の全てがフレスベルグ」であると――?
ええ、そう考えると辻褄があうわ。
戦場にて不沈、運命にまで干渉して生き残る現象、最後の1人になる超常。
まるで"戦場にて敗者を啄む大鷲"の如くね。
これはこれは、なんとも世界図書館泣かせでございますね。
彼女を識るためには、膨大な量の英雄伝を頭に入れなければならないようです。
けれど「不沈の魔剣」なんて大層な伝承を背負ってしまって、この子、見た目以上に苦労しているのね。
負けることが許されないなんて。
だからこそ、あの振る舞いなのでしょう。彼女は、フレスベルグ様は。
不沈の力は強大、ゆえにああして見極めているのです。
生存のために運命を操作すれば歪みはいずれ返ってきます。それが主の命を奪うことにも成りかねませんから。
はぁ…、外見だけ見て数え役満なんて評して悪かったわね。
もし会うことがあれば謝っておかなくちゃ。
ですが、彼女が本当に苦労するのは顕現してからでございましょう。
というと?
彼女が戦場においてどれだけ不沈であっても、使い手である英雄もいずれは倒れ伏します。
つまりフレスベルグ様は、英雄たちを英雄たらしめる膨大な犠牲と、それを成した膨大な数の英雄たちの亡骸の上に成り立っているのです。
自分をアンロックできる魔剣使いが現れたとしても、その魔剣使いもまたフレスベルグの伝承を強化する1ページに過ぎない…。
いわば過去現在未来の「不沈の英雄」の全てが彼女の餌、というわけね。
他人に素直になれない性格というのも納得の帰結でございます。
むしろ、壁ドンでドキドキしたり、少女らしく過ごしてほしいわね……。
ぐすん、…すん、あーだめね、歳を取るとこういうの弱くって……。
ええ、ですからせめて、彼女にはほんのひとときでも幸福な記憶を、暖かく優しい時間を過ごしていただきたいと。
そうね、本当にそう思うわ。
ふふ♪ どうもこういうときにばかり頼ってしまうのだけど、やはりフレスベルグを幸せにできるのは――
『彼』しかいなそうでございますね♪
そうとなれば修理と整備は任せてもらいましょうか!
ツインテールでも白ワンピでも純真ツンデレまで何でも来い、の気概よ!
とはいえまずは情報収集ね?魔剣機関に乗り込もうかしら♪
それならば是非とも同行させてくださいませ。
魔剣機関が隠し持った秘匿文書がないか興味がございます。
なにぶん必読な伝承が山盛りですので、多少増えても構いません♪


わくわくするわ♪
楽しみですわ♪



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