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鍛冶医師クランベリー
ああ~重いっ!!
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世界図書館メイド長ププッピマリー
あら、そんなにたくさんの紙の山…
込み入った事情の匂いがプンプンいたしますね。 |
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ええ、よいしょっと……ふう。
ところでマリー、あなた妄想をすることはある? |
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ロールお嬢様の妄想でしたら毎ミリセカンドごとに乱発できますが、
お聞きになりますか? |
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とんでもない尺になりそうだからやめて頂戴。
じゃあもし、その妄想を形にできるとしたら、どうする? |
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節度を持って遠慮したいですね。
それを実現するのは「世界の摂理」に反するでしょうから。 |
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そうでしょうね。
じゃあもし、その「世界の摂理」を喰らうことが出来るとしたら──? |
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……なるほど、マンイーター=スピカ──
世界の摂理を、喰らう者。 |
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ええ、この魔剣は過去未来に渡って事象と摂理を喰らうことが出来る。
伝承によって成立する魔剣たちにとって、それがどれほど恐ろしいことか…… |
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そうですね…現実と妄想の区別がつかなくなり、伝承は信憑性を失って妄言と同じものになってしまう。
世界を根底から覆しうるそれは、知を集約するロルリアンレット世界図書館にとって身の毛もよだつ話でございます。 |
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そうでしょう。そしてそれは、この子自身にとっても同じだわ。
己の力で危うく揺れ動く世界を前に、寄り添う者もない。 |
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だから、自分の内の妄想に倚んだ。
自分の孤独を癒やすために。 |
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恐ろしく孤独な世界ね……。
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世界の摂理を喰らいながら妄想を生み出す魔剣、ですか。
なんだか心が少し痛くなりますね。 |
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ちっ、ちっ、ちーっ!
あっまーいですねっ! |
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あら、マンイーター。
姉としては一言いっておきたいのね? |
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もちろんですっ!
ところでお二方、食べたいものはありますかっ? |
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食べたいもの、ですか……?
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お肉
ね。何も考えないでお肉を食べていたい。
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即答ですわね…私はいつものティータイムが一番です。
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ふっふっふ…今、しましたねっ?妄想をっ!!
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む!!私はお肉を妄想で終わらせるつもりはないわよ!!
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そのとおりっ!
妄想とは──未来の始まりですっ!! |
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これは…大変な名言が飛び出しましたね。
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いいですかっ?私も妹のようによく色んな空想をするのです。
ですがっ!それがやがて現実になるならっ!それは嘘ではないのですっ!! |
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その通りね。諦めないことが大事だわ。
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だからー私もっ♪
ご主人様のことを、あーしたりっ♪こーしたりっ♪ 妄想することをやめませんっ!! |
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スピカの妄想もまた、
己の願う素敵な未来のための矜持なのかもしれませんね。 |
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分かりましたかっ?
それではっ!私は妄想とご主人様をぺろぺろするので大忙しなのでこのへんでっ♪ ぺろぺろしに来たマンイーターにご主人様は「なあマンイーター、今日のぺろぺろはお前からオレへじゃなくて……オレからお前へなんだ」そしたらご主人様がマンイーターの耳を……「どうしたマンイーター、しっぽがパタパタしてるぞ」違うんですっこれはそういうのじゃなくてあのあのっ!「そうは言っても体は正直だな」ご、強引なご主人様、それからそれから……うへへ…… |
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楽しそうに行ってしまいましたね。
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ええ……でも確かに、あの子の言う通りね。
たとえ世界が揺らいでいても、願いを捨てないこと──大事だわ。 |
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そうですね。私たちも少し、疲れていたのかもしれません。
ところで、クラン様。 |
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何かしら。
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この、同じことばかり書かれている大量の報告資料は
結局何なのです? |
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……ふふ。
これも、理不尽に揺れ動く現実への、健気な抵抗よ。 |
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……?
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事象と摂理を喰らい続ける、禁忌の魔剣の情報──
そんなもの、気付かないうちにいつ変化していたっておかしくないわ。 |
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ええ、もしかすると、既に──
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そうよ。だから、魔剣機関の担当者は情報を何度も、何度も書いた。
ただそれだけの話よ。 |
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まさか、喰われた事象の侵蝕に抵抗するために、
ただ単純にたくさん書いて情報を守ろうとした、と? |
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そのまさかよ。愚かだと笑うかしら?
…無駄な抵抗だと侮るのも簡単ね。 |
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ええ、しかしだからこそ、
それをやめないことが、未来を変えうるかもしれない──。 |
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そうよ。私たちもうかうかしてられないわ。
次に何が起こるか、まるで分かりゃしないんだもの。 |
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そうですわね。
健気にまいりましょうか、明日のティータイムを夢見て。 |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |