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世界図書館メイド長ププッピマリー
クラン様、お待たせいたしました。
お探しの本はこちらでよろしいでしょうか? |
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鍛冶医師クランベリー
そうそう! その本よ♪
ありがとう、助かったわ。 |
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いえ、これも仕事ですから。
それにしても『魔剣競技の歴史』、ですか。 どうしてそちらの本を? |
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今度、魔剣射撃の大会で修理担当をすることになったのよ。
だから事前に予習しておこうと思ってね。 |
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なるほど。
ちなみに鍛冶医の視点から競技用と戦闘用の魔剣に違いはあるのですか? |
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あら、興味があるの?
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ええ、もちろん。
競技目的の魔剣は珍しいですので。 |
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そうねぇ……競技用魔剣も構造は普通の魔剣と変わりないわよ?
戦闘用と比べて出力に厳格な制限はあるけれどね。 |
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それはそうでしょう。
競技を超えた被害を出しては元も子もないですから。 |
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そうそう。それに昔、とんでもない魔剣が生まれちゃったものだから、
今は本当に管理が厳しいのよ。 |
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とんでもない魔剣……?
競技の世界で、ですか? |
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むしろ競技の世界だからこそ、といえば分かるんじゃない?
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……なるほど
歴史的に戦争の技術は娯楽で流用されるものですが、 娯楽故にたがが外れてしまったということでしょうか? |
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その通り♪
娯楽の根底にあるのは『もっと』を求める純粋な人の欲よ。 際限ないそれらは、時に禁忌の領域まで技術を押し上げてしまう。 |
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加えて、競技者は魔剣使いという異能を競技へと消費していますから、
勝つことが文字通り命がけになってしまうでしょうね。
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そして、純粋な勝利を追求した結果、一線を超えた魔剣が生まれたの。
たしか本にも……ほら、このページを見てみて? |
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……ティターニア=モル。
ティターニア姉妹を元に競技用として作られた魔剣。 |
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そう、SSランクでも上位の魔力貯蔵量を持つのに加えて、
それを圧縮して撃ち出せる性能を持っていたわ。 |
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それはまた……競技に使うには過ぎた力ですね。
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でもそれが、勝利を求める競技者の需要に答えた結果よ。
そして、多くの悲劇を生む原因となってしまった。 |
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競技用故に安易に入手できるSSランク性能の魔剣とは……
競技中の事故にとどまらず、悪用されるのは容易に想像できますね。 |
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ええ、全盛期には使用者に大会での栄光を約束した魔剣だったけれど、
次第に犯罪に使われるケースが魔界全土で増加してね…… 最後は恐怖の対象となってしまったの。 |
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その結果が、競技目的での単純所持禁止ですか。
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どこでもSS魔剣による犯罪が起こる魔界になっていたらと思うと
その処分も仕方ないところがあるわ。 |
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元となったティターニア=ネオ様自身も、
世界を滅ぼす危険性から封印されてしまった魔剣です。 それだけでも大きな悲劇でしたのに……。 |
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人々の傲慢と欲望は、娯楽の名のもとに
世界を滅ぼしうる魔剣と悲劇を再び生み出してしまったのよ。 |
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封印は仕方ないとはいえ、悲しいですね。
生まれた役割を全うしただけで、ここまで人間の都合に振り回されるとは。 |
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ええ、まったく。
競技という世界には魔剣と魔剣使いの新しい可能性もあったのにね。 |
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人は自ら、その可能性をつぶしてしまった……
自ら生み出したにも関わらず、無知と傲慢によって。 |
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でもね、悲観することもないわよ?
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というと?
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だってほら、いくら歴史が悲劇でも、
オリジナルとなったネオちゃんはいま……♪ |
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あぁー♪ きもちいぃー♪
図書館は涼しくて、お昼寝にいいよねぇー♪ |
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い、いつの間に……!
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ふふ♪
封印されてきたネオちゃんも、今ではだらだらな元ニート。 あれはあれで幸せそうじゃない? |
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では使い手が違えば、このモル様も……
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そう、競技用には禁止されていたとしても、
真の力を発揮して、魔剣使いの強い味方になれるかもしれない。 |
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姉妹たちよりも異なる方法で生まれたがゆえに、
まだ見ぬ可能性が秘められている、と。 |
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そんな魔剣がこの世に存在して、新しい主を待っている。
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ふふ、
このモル様にはこれからどんな運命を待ち受けているのか。 |
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そして、魔剣使いと妖精とでどんな物語を綴るのか……
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |