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鍛冶医師クランベリー
まさか……
もうすぐ聖夜なのに、こんなことになるなんて……! |
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世界図書館メイド長ププッピマリー
どうかされたのですか、クラン様?
顔色がよろしくないようですが? |
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顔色も悪くなるわよ。
……今度こそ、魔界が滅びるかもしれないのだから。 |
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っ……!?
どういうことでしょう? |
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マリーなら
『マナガルム』の伝説を知っているわよね? |
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もちろんです。
魔界に名高い、神の如き力を誇った狼ですね。 |
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そう、天を覆い尽くすほどの巨体に、神も切り裂く鋭い爪、
大きな口と牙は、天に座す月さえ飲み込んだと伝えられるわ。 |
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さらにマナガルムは、
強い絆で結びついた群れで行動したといいます。 |
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単体でも世界を壊すほどなのに、
それが群れで存在したなんて……想像するだけで恐ろしいわよ。 |
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伝説では神々との全面戦争に敗れるまで、
狼たちにより世界は蹂躙し尽くされたといいますが…… |
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そんなマナガルムが魔界に現れたとしたら……
この魔界が滅んでもおかしくはないわ。 |
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先程、魔剣機関から通達がありましたが、
もしや……! |
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ええ、そう。
マナガルムの伝承をもった魔剣が確認されたのよ。 この恐ろしい姿を見て。 |
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なんという威容でしょう……!
まさしく、全てを破壊する狼の牙です。 |
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伝説を全て引き継いでいるなら、
月さえ飲み込み、砕くことができる魔斧となるはずよ。 |
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これほどに強大な魔剣です。
魔剣少女もきっと、恐ろしく勇ましい姿でしょうね…… |
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そういえば、魔剣少女の写真はまだ……あっ!
な、なんてことなの……!? |
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クラン様、お気を確かに!
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だ、だめ……!
もう、まともに見られない……! だって……! |
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ま、まさか……!
それほどまでに恐ろしい…… |
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こんなに
カワイイ
んだもの!!
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…………はい?
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見てよ、この子♪
お顔も体もちっちゃくて、くりくりのおめめ♪ なんてカワイイの♪ |
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た、たしかに、とても愛らしいですね……
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しかも、
『マナを家族にしてください』ですって♪ うんうん♪ いつでも家に来ていいわよー♪ |
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く、クラン様!
すこし落ち着いてください……! |
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はっ……!
ご、ごめんなさい。少し取り乱したわね。 |
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それにしても、
あのマナガルムがこんなに愛らしい姿なんて。 |
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あくまで伝説は伝説。
魔剣が内包する伝承とは違うのでしょうね。 でも、伝説にふさわしい力は持っているはずよ。 |
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この小さく可愛い子が、月さえも砕けると?
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ええ、きっと♪
この子なら、魔界の危機は訪れないでしょうけど。 |
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……果たしてそうでしょうか?
人と魔剣、人と獣。両者の隔たりはあまりに大きいです。 本当に主に心を開くかどうか…… |
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大丈夫よ♪
私はこの子が安心できるお家を見つけて、 もっと可愛くなると思うわ♪ |
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では……私も期待しましょう。
この子が安住の地を見つけられるかどうか。 |
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こんなに可愛くて強い魔剣が、
マスターとどんな関係になっていくのか。 |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |