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鍛冶医師クランベリー
うーん、
猫の飼育に関する本はどこにあるのかしら? |
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世界図書館メイド長ププッピマリー
おや、クラン様。
そのような本をお探しということは、猫を飼い始めたのですか? |
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あ、私が飼うわけじゃないのよ?
知り合いが野良猫を保護したらしくてね。 |
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なるほど、その方のために本を探していた、と。
放置しては悲しいことになりそうですし、良い判断ですね。 |
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ええ。でも、猫って不思議な生き物よねえ……。
自由な野生動物にもなったり、家にもすぐ馴染んだり。 |
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我々から見ても、
その生態には驚くべきものがありますね。 |
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なのに、人とどこか一線をひいたような
距離感を取り続けるのも不思議なところね。 |
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そんな気ままなところも可愛く思えてしまうのは、
人が猫の振り回されている証拠かもしれません。 |
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猫に関する伝承が多く残されているのも、
そんな猫との歴史によるものでしょうね。 |
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そういえばクラン様、
野良猫のように自由な魔剣が現れるようですよ? |
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またタイミングがいいわね。
どれどれ……? マタゴット=ノラ? マタゴットって民間伝承にある変幻自在の猫よね? |
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ええ、猫に限らず姿かたちを変える魔猫。
世話をする限りは家に富をもたらすともいう気まぐれな猫です。 |
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ぐうたらで掴みどころが無いところがあったり、
猫の習性が元になった伝承に思えるわね。 |
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確かに、野良猫らしい伝承ですからね。
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でも、どうしてこの魔剣はSSランクと認められたのかしら?
姿かたちを変えるだけの伝承なら、AまたはAAランク程度でしょう? SS魔剣である秘密があるのではないかしら…… |
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ということは、
単なるマタゴットに限らない力がこの魔剣にはあると? |
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ええ、魔剣機関の考えることだもの!
秘匿した情報があるはず。 |
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もしや、とは思うのですが……
マタゴットという伝承の解釈を、 元となった猫という種全体に拡大したらどうでしょう? |
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なるほどね……
特に、気がつけば魔界中に分布を広げ、 人の手にも制御できない野良猫という解釈なら。 |
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司るのは縛られることなき限りない自由である、と。
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そして『人が自ずと猫に合わせて環境を整えてしまう』から。
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まさか住みやすく環境を整えるように、
限定的に世界そのものを操作する力があると? |
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SSランクの魔剣だもの。
それくらいできてもおかしくないわ。 |
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この解釈が正しいとすれば、恐ろしい魔剣ですね。
果たして魔剣使いに制御できるか、 いえ制御という概念が備わっているかどうか…… |
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こうしてはいられないわ……!
マタゴット=ノラについてのもっと情報を集めないと! |
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こ、これは……!
クラン様、資料に動画が添付されているようです! |
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まさか、そこにノラの秘密が……!?
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マタゴット=ノラ
『ぶいぶい、ハローワールド。
今日はお家から生配信していくよー。 気に入ったらキミもメイドになってね』 |
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って、あら……?
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ゲームの、配信ですか……?
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『うわー! この難易度、どうなってるの?
デュクシ、デュクシ!』 |
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な、なんというか、本当に自由な魔剣ね……
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ただの猫ですらなくメイドになっていますよ。
働かずにゲームをしていますが…… |
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もう、どういうことなの……!?
私にはこの子がわからないわ……! |
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それほどの自由を謳歌している魔剣であり、
理解が及ばないということからも、 我々の推測があたっている可能性も高いですね。 |
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はぁ……それが正しかったとしたら、
ノラを使う人はとっても苦労させられるでしょうね。 |
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ですが私には……そんな自由な魔剣が
人とどのように繋がっていくのかには興味がつきません。 |
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自由と使役、魔剣と魔剣使い。
二つの相反する生き方にどう折り合いをつけるのか、ということね。 |
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ええ、ノラがどれほどの自由な生き方を見せてくれるのか。
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そして魔剣使いという不自由の間に、
どれだけの絆が生まれ、育まれていくのか。 |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |