|
世界図書館メイド長ププッピマリー
おかしいですね…
たしかこちらにしまったはずですが… |
|
|
鍛冶医師クランベリー
あら、マリー
どうしたの? そんなに困った顔をして |
|
これはクラン様
恥ずかしながら大切なものをなくしまして お嬢様がご所望の高級ケーキなのですが… |
|
|
ぎくっ…!?
|
|
冷蔵庫に入れておいたところ、
忽然と姿を消したのです もしや誰かが食べてしまったのではと |
|
|
ぎくぎくっ…!!
|
|
………………
クラン様、先程からお顔の色が悪いようですが? |
|
|
な、なんでも無いわよ!
私はケーキなんて知らないから! |
|
ほう、私は顔色が悪いと言っただけですが…
その反応を見るに、なにか知っていそうですね |
|
|
うっ…!
で、でもなんの証拠もないでしょ? |
|
ええ、しかし人には罪悪感があります
口ではなんと言おうと、それは心と体を蝕んでいきますよ? そう『煌帝ネロ』を使ったときのように |
|
|
ネロ…って、新しく報告された魔剣よね?
カシウスやユリウスのように天罰システムを応用して 作られた魔剣と聞いているけど? |
|
ええ、彼女たちは人々の罪を元に能力を発揮します
カシウスが自らの罪を認めるほどに力を増し、 ユリウスが罪を制定して、罰を与えるように |
|
|
『天から降された神の光より作られし魔剣』
彼女たちの伝承にはそんな風に残されているわね ということは、そのネロという魔剣も? |
|
その通り、罪に関係する魔剣です
ネロが奏でる音色は聞く者の心に作用し、 内に秘めた罪悪感を増幅させます |
|
|
なるほどね…でも、それなら安心だわ
カシウスたちのように 問答無用で罰を与えられるわけじゃないもの |
|
と、言いますと?
|
|
|
自分の心が起因になるなら、
その行為を悪く思わなければ大丈夫でしょう? イタズラくらいなら自分で許してしまうものよ |
|
なるほど、ネロの力はカシウスたちと異なり、
克服する方法があると考えているのですね |
|
|
ええ、その通りよ
まったくマリーったら脅かすんだから♪ |
|
…ふふ、クラン様は甘いですね
まるでその口の端に残ったクリームのように |
|
|
っ…!? そんな、ちゃんと拭き取ったはず…!
…………はっ!! |
|
ちょうどクラン様が見せたように、
罪とは覆い隠すことができないものです それは積み重なっても、消えることはない |
|
|
ま、まさか、ネロが暴く罪って…!
|
|
ええ、特定の行為ではなく
人々が抱く全ての罪にネロは影響を与えます |
|
|
なるほど、一つ一つは小さな罪でも、
それが長い年月で積み上がってしまえば |
|
まるで罪でできた音符のようですね
そして罪の音色は、魂さえ破壊するでしょう |
|
|
罪がまるでない人間なんていないでしょうしね
それこそ赤ちゃんくらいなものよ 私たちが影響されたらどうなるか想像もつかないわ… |
|
ご理解いただけましたか?
ネロが現れた以上、罪を隠すなど愚かなこと 精算し、荷をおろしたほうが良いと思われますが? |
|
|
…そう、ね
知らなかったこととはいえ、ごめんなさい たしかに食べてしまったのは私よ |
|
ふぅ…私たちの仲です
買い直していただけるなら、お嬢様にもお伝えはしません それでいかがですか? |
|
|
助かるわ、ありがとうマリー
それにしても、ネロを使うマスターは大変ね |
|
彼女は常にマスターの罪、
つまりは弱みを握っていることになりますからね |
|
|
それに音を媒介にするということは、
戦闘中には自分も影響を受ける可能性が高い |
|
それを聞くだけで
ネロに振り回される様が目に浮かびますね |
|
|
果たして、罪を暴く魔剣と、罪を背負った人間
そんな二人がどう互いを認めていくのか |
|
あるいはネロが人の愚かしさをどう裁くのか
|
|
|
わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |
|
ところで、あのケーキはおいくらだったの?
|
|
料金でしたらこちらに…
|
|
|
た、たかすぎじゃない!?
こんな値段するの!? |
|
司書王のお気に入りですので
ああ、口止め料として、 私の分もお願いいたしますね? |
|
|
うぅ…、今月の生活費がぁ……
|
|
ふふ♪
いけないことなど、するものではありませんね? |
|