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マリー
ここをこうして…いえ、これではダメです
なかなかうまくはいきませんね… |
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クラン
あら、マリー?
なんだか悩んでいるようだけど、どうしたの? そんな布を持ったままなんて |
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これはクラン様
実は、世界図書館でパーティーを開くことになりまして、 その余興の練習をしていたのです |
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マリーが余興を?
布をつかった出し物って、まさか早きがえ…! |
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マジックです
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も、もちろんわかってたわよ…!
だからそんなに怖い顔しないでちょうだい♪ |
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とにかく、マジックの練習をしていたのですが、
なかなかしっくりくるものにならないのです |
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なるほどね…
マリーのことだから技術は問題ないとして その場合、足りないのは心構えじゃないかしら? |
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心構え、ですか?
たしかに普段は裏方業が主ですから、 表舞台で出し物というのは不慣れでしたね |
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そうそう! だからマリーに必要なのは、
まずエンターテイメントの心を知ることだと思うわ♪ 例えばクロウリーを調べたりね♪ |
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クロウリー…名前は聞いたことがありますね
魔界におけるマジックの始祖になったとも謳われる魔剣だと |
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伝承によると元は高名な魔導師が愛用した帽子らしいの
錬金術で改造されて、異空間と接続できるようになったとか |
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なるほど…その改造が、
空間をあやつるこの魔剣の能力につながったと |
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魔剣として、武器としての能力はそのとおり
でも、そんな魔剣から娯楽が生まれるなんて不思議だと思わない? |
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たしかに、競技用に調整された魔剣は存在しましたが
娯楽の元になった魔剣というのは珍しいですね… どうしてクロウリーからマジックが生まれたのでしょうか? |
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それがこのお話の肝だと思うのよ
魔術と魔剣がありふれた魔界では、簡単な奇跡なんて見慣れたもの マジックが娯楽として生まれるのはそもそも難しいはず |
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では、クロウリーの能力だけが原因ではないと?
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一説だけど、クロウリーの形が原因と言われるわ
帽子からいろいろと取り出したことが喜ばれたらしいの たしかに面白いでしょ? 帽子から不思議なものが出てくるなんて |
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なるほど…性能だけでなく、形や仕草そして使用方法が故に
マジックというエンターテイメントのきっかけになったと |
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つまり、マジックとは総合的な芸術なのよ
普通に物が消えましただけじゃつまらないじゃない? マジシャンと楽しむお客さんがいてはじめてマジックなのよ |
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クラン様がおっしゃりたいことがわかった気がします
私は技能ばかりを磨いていましたが、 それ以前に観客を楽しませる工夫が足りなかったのですね |
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でも大丈夫よ、メイドはおもてなしをするのが基本技能
マリーならすぐに極められるわ♪ |
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ありがとうございます、クラン様
それにしてもクロウリーからマジックという文化が生まれたとして、 クロウリー自身は、そんな自分をどう思っているのでしょう |
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たしかに、戦いの道具として生まれたのに、
マジックという別の使い方で有名になってしまうなんてね |
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武器としての己を誇るなら、魔剣として振る舞うかもしれませんが、
マジックの道具としてありたいと思うなら、それは茨の道でしょうね |
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形や使い方が面白くても、兵器は兵器
人を傷つける力が真に誰かを笑顔にするのは難しいもの でも、そんな奇跡さえ乗り越えたなら… |
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ふふ、素晴らしいマジシャンが誕生するでしょう
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クロウリーはどんなマジックを見せてくれるのか
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そしてどんな生き様を示してくれるのか
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |