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クラン
とうとうこの時が来たのね…
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マリー
はい、既に魔剣機関は厳戒態勢をとり、
世界図書館も不測の事態に向けて万全の準備を施しました |
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魔界三国の一角、
メルトナの誇る煉獄剣ヴェルガトゥリオが まさか新たな使い手を得るだなんて |
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しかもその使い手があの……恐ろしい事態です
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(……と、いうことにしておくのよね?)
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(ええ、どこで誰が聞いているかわかりませんし、
我々が彼と協力関係にあることは明かすべきではないかと) |
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こほんっ…!
以前のゼタやラグナロク、テュフォーンと同じように 原初の魔剣、それも原初六魔剣は在るだけで 魔界のバランスを揺るがしうる強大な兵器でもあるわ |
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ですから魔剣機関も、
ヴェルガトゥリオに関する調査レポートを公開したようです 我々も閲覧してみましょう |
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煉獄剣ヴェルガトゥリオ…
煉獄王セイメイを支えた愛剣にして、七罪王の伝承を継ぐ浄罪の剣… |
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魔界で恐れられてきた七人の大罪の王、
それらの力が束ねられることで現れる煉獄王ヴェルガトゥリオの力を 魔剣として再現した存在です |
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伝承によるとかの王は、この世の罪を全て俯瞰し、
罪ある者を、罪もろとも浄化することができる力を持つとされているわ それにより魔界の歴史をやり直すことさえも可能だとか |
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浄化と言うと穏やかに聞こえますが、
使い手の意図次第では敵対者を存在ごと否定することができる 罪人である以上逃れられない、強力無比で絶対の魔剣です |
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罪の否定、ね…
ねえ、マリーは元々七罪王を専門に研究していたのよね? |
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ええ、否定はしません
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素朴な疑問なのだけれど、
どうして七つの罪の伝承を束ねることで浄罪の力が生まれるのかしら? 普通はもっと極悪非道な力になると思わない? |
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罪というものを犯罪などと同一視した場合は、
そう考えるのも当然かも知れませんね ですが七罪王の伝承、力の根源はもっと上位の概念なのです |
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人の根源的な欲望や衝動…
人が人である以上、必ず伴っている罪ということ? |
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生まれながらに抱く罪、原罪
そこから分岐した七つの根源の罪 それを束ねるとは即ち、人の根源を知ることに等しい |
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なるほどね…
人の罪を誰よりも知り尽くした、この世の罪を全て理解する王 そこからどのように派生するかは、 その王が罪に対して抱く考え方にもよる… |
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ええ、これは推測ですが、
完全を自称していた高慢のスペルビアは 罪がある不完全な世界のあり方を嫌悪していました |
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スペルビアって…
たしか煉獄王ヴェルガトゥリオに至ったとされる七罪王よね だから世界をやり直す、罪を浄化する力をもった |
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逆にお嬢様が七罪を束ねた原罪王は、
自らが罪の中から生まれたという思いを持っていたことで 煉獄王とは違う罪の極点に至ったのです |
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罪を生み出す王と、罪を消し去る王
根本は同じでもあり方は正反対ね |
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しかしどちらも罪の極限を知り尽くしたからこそ、
罪を象徴する王となれるのでしょう |
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メルトナ王セイメイが良識のある賢王で良かったわ
魔剣としてのヴェルガトゥリオも、 本気の本気を出せば魔界をやり直せるかもしれないもの |
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逆にそのような思慮深き王だからこそ、
ヴェルガトゥリオをあれほどに使いこなせたのかもしれません 究極の浄罪を為すには、 己や他者の罪を全て等しく捉え、認める度量が必要ですから |
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じゃあ、他の原初の魔剣と同じように、
ヴェルガトゥリオを使いこなすためには何よりも 魔剣使いの精神と技量が必要ということね? |
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邪な者がヴェルガトゥリオを使おうとしても、
逆にその力で自らが裁かれるのが関の山でしょう |
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でも、さっきマリーが言ったように
個人によって程度は合っても罪がない人間なんていない 知性を持った以上、罪を定義し、罪を犯すのは 人の生まれ持った宿命でもあるから |
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であればこそ、
ヴェルガトゥリオの影響を逃れられる人類は 理論上存在しません |
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この剣が魔界全てに向けられるとなれば、恐ろしいことよ
魔剣機関が最大の警戒を示したのも無理はないわ |
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とはいえ……
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(ええ、なんだかヴェルガトゥリオは彼にゾッコンみたいだし!)
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(ずいぶんと古い言葉遣いですが、
魔剣と魔剣使いが良好な関係なのは喜ばしいことです) |
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(ふふふ♪ お姉さん、ワクワクしてきちゃうわ!)
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(お嬢様のお気持ちを想像すると複雑ですが、
私も彼らの物語がどう進展するのかは楽しみですね) |
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この罪深い世界が煉獄の剣によって、
どう変化するのか! |
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そして浄罪の魔剣と共に歩む者が、
その世界を罪と、どう向き合っていくのか |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |