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クラン
はぁ…♪ この新連載、すっごく面白くてドキドキしたわ♪
早く来週にならないかしら♪ |
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マリー
おや?
クラン様が読んでいらっしゃるのは週刊の漫画雑誌ですね? |
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そうよ♪ 新連載になった作品が話題になっていたから、
世界図書館なら取り寄せていると思って読ませてもらっていたの 後で書店でも見かけたら買うつもりよ |
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それはまた、とても気に入られたのですね
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マリーにも読んでほしいわっ!
ワクワクする世界観に、まだ未熟だけどキャラが立った主人公 故郷との別れに、待ち受ける困難♪ |
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なるほど、王道でありつつも物語の広がりを感じさせる
良いプロローグですね |
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なにより、この見開きを見てよ!
作者の「絶対に成功させてやる!」って気合が伝わってきそうな大迫力! きっと魔界で知らない者がいない名作になるわ! |
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商業的に見ても、そして創作のテクニックとしても、
出だしで読者を引き込むことはなによりも大事ですからね 気合も入るというものでしょう |
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引き込まれる…か、
たしかにこの物語に飛び込んでみたいとさえ思えたわ まあ、そんなことできな…… |
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できますよ?
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できるの!?
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ええ、クラン様が心から願うのであれば擬似的に可能です
開幕詩篇プロローグの力を使って |
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出たわね、世界図書館が秘蔵していた魔剣の一振り!
でも騙されないわよ! この子の危うさは巷の噂で聞いているもの! |
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ええ、であるが故に世界図書館で預かった魔剣です
しかしプロローグを使うことで自分の物語を切り開きたいと 願う人が後を絶たないのも事実 |
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世界は神様が描いた物語である、だったかしら?
そう認識して力を及ぼせる魔剣なら、 たしかに使用者の物語を改変することができるわよね |
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特にプロローグは、始まり…
つまり物事の起点を生み出すことに長けた魔剣です |
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よくチャンスを掴むっていうけれど、
やりたいこと、夢や目標があっても機会さえ得られないことが大半だもの プロローグはその入口まで使用者を案内できるわけね |
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人生の目標だけでなく戦闘においても、
勝利へ向かう物語だと定義して、絶好の機会を生み出すことができます 無理も道理も書き換えて魔界すらアレンジしながら |
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だから、私が心から望むなら、
あの漫画のような展開を現実に生み出すことが可能となる、と 使いようでは所謂『神』の真似事もできるけど… |
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再起不能は勘弁してほしいと?
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それはそうよ!
それに魔剣少女もかなり癖が強い性格をしているんでしょ? 面白半分に破滅させようとしたりするとか噂で聞いたわ! |
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ふふふ♪ あまり噂に振り回され過ぎないほうが良いですよ?
彼女たちの管理体制をまとめた者としては、 プロローグが危険な魔剣だというのは誤解だと考えています |
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えっ、どういうこと?
妹のエピローグちゃんと一緒に何人もの人間を再起不能にしたんでしょう? |
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まず事実だけをまとめましょう
プロローグは退屈の解消が最優先という癖が強い性格なのは真実です 管理を任せた副メイド長も苦労をしていました |
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だから物語の始まり、そのワクワクを楽しむために
面白い方に面白い方にと誘導したがる子…っていうのも事実よね? |
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「過程も終わりもどうでもいい」とまで言ってのけますね
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そんな極端な考え方を持っていて、
性能としても世界を変えうるランクSS魔剣なのは本当のこと どこにも誤解なんて……あら? |
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お気づきになられましたか?
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プロローグはあくまで、
対象が望んだように、物語の始まりを実現させてくれる魔剣 だとしたら責任は…望みを託した人間にあるんじゃない? |
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そしてプロローグが導くのが、
「物語の始まり」だというところがこの誤解の肝でしょう |
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ああ、なるほど!
プロローグが生み出すのは、理想的な『始まり』だけ! その後の保証まではしてくれないのね!! |
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創作物にもよくあります
始まりを盛り上げるために設定を盛りだくさんにした挙げ句、 その処理をしきれずに物語そのものが破綻することが |
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そして都合よく物語を作れると誤解していた人々は、
その傲慢さのツケをその後の人生で払うことになったわけね… |
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終わりのその時まで、始めた責任を全うできればよいでしょうが
都合の良い物語を求める人々に、そんな胆力は望めないでしょうからね |
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これはあなたが始めた物語でしょ、って
プロローグから言われているようなものなのかもね |
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退屈を嫌うという性格も、人間の普遍的な欲求そのもの
何事も始まりこそが面白く価値があるという感性も少々極端ではありますが 読書家として共感できるところもあります |
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最初は物語の行く末もわからないからドキドキするけれど、
竜頭蛇尾なんて言葉もあるし、終わりは凡庸な例はいくらでもあるわ… |
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ただ、プロローグ本人は、
そういう自分を使いこなそうとする魔剣使いだからこそ、 面白い物語が見れると期待しているフシがあります |
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だから、誤解をそのままにし続けているということ?
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制御が難しい魔剣であるのは事実なので、
侮ることなく、自制心を持って使用するべき魔剣ではあります ただ能動的に主に敵対する魔剣ではないと考えてください これは我々の副メイド長の意見でもあります |
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つまりプロローグを使いこなせるのは、
しっかりと自分の未来を見据えて、物語を始められる意思の強い人 |
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そのような使い手が現れたならば、
プロローグと…そして妹であるエピローグの力を使い、 理想の旅路を歩めるかもしれませんね |
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そんな魔剣使いがどんな風に、
この魔界に自分の物語を刻んでいくのか |
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そしてプロローグが退屈に打ち勝ち、
素晴らしい物語の一員となれるのか…… |
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わくわくするわ♪ 楽しみですわ♪ |